第3章『会員市町村の地域振興の紹介』
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| 1.福島県山都町「そば銀行事業について」 |
| 近年、会津そばは脚光を浴び、周辺市町村でも地域特産物として力を入れるようになってきた。しかし、需要の増加とともに原材料が不足し、また、そば業者の製粉技術や保管状態のバラツキが生じ、会津ブランドをそこなう恐れが出てきた。さらに、農業従事者の高齢化や生産量の低下に伴い、地域内に遊休農地や耕作放棄地が増加し、美観上好ましくない事態にもなっている。このため、小規模であってもそば栽培を奨励しそば栽培の意欲を高め耕作放棄地を解消し、美しい景観づくりに努めるとともに、良質のそば産地としてそば粉の安定供給を図ることを目的に「そば銀行事業」を実施することとした。 |
| (そば銀行事業の概要) |
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事業主体:株式会社山都町振興公社 |
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内 容 |
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施設:そばの乾燥・調整・加工施設 |
| A |
預入:山都町内で栽培され脱殻したそば(未乾燥・乾爆)を施設に搬入し、水分検定を受け、計量後預ける(預入期間11/1〜12/25) |
| B |
引出:玄そば、そば粉、生そば、現金(売却)の4種類にて引出する。(引出期間11/1〜翌年10/31) |
| C |
預入れ経費:それぞれに定める。 |
| D |
融資事業:そば粉等の融資を受け返済は現金で決済する。(そば粉等購入)そばは、原料保管や製粉技術の如何によっては品質が著しく低下し、各そば店もその対応に苦慮していた。また、地域柄、自家消費の家庭も多く、いずれも作 業小屋などに常温保管しているため室温等に左右され品質低下が懸念されていた。
このようなことから脱殻後、そば銀行に預入れ、乾燥、調整、定温保管し、必要な時に必要な量を引出せるようにして、加工や保管の省力化や品質の向上を図ることとした。また、地域内のそば店に均一な品質の原料を安定的に供給することが可能となり経営の拡大も図れることが期待されている。山都町にとっては金融ビッグバーンではなく、そばビッグバーンへの挑戦といえる。今まで小規模でのそば栽培は、脱殻、乾燥など手間がかかり、また、採算も合わないため敬遠されがちであった。しかし、少量でも受け入れる「そば銀行」の誕生により小規模の栽培でもメリットが生じ、老人でも耕作が可能となり、遊休農地の解消、地域内美化、老人の生き甲斐対策にも寄与し、生産拡大にも結び付けることが可能となった。「そばの里・会津」にふさわしい生産環境が整備されつつある。 |
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| (3) |
業務の内容 |
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口座開設:開設(登録) |
| A |
預金:そばの実を預けることがすなわち預金である。(満期は1年) |
| B |
引出し:
(1)そばの実のまま
(2)そば粉
(3)生そば
(4)両替
(銀行買い取り) |
| C |
融資:そばの実、そば粉、生そばを融資する。(そばの販売業務) |
| D |
残高照会:満期が近づくと銀行から残高通知が送付される。預金者は、そばに替えるか両替するかどちらかを選択する。 |
| E |
利息:残念ながら利息はつかない。逆に保管料や加工料の実費(手数料)が必要となる。しかし、年中品質が保たれた「おいしいそば」をいつでも必要なだけ引出せるのがメリット(利息)です。 |
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銀行施設概要 |
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そば貯蔵金庫:能力50t(生そばにすると約30万食) |
| A |
施設の特徴:
(1)自然送風乾燥のため、より自然(天日)乾燥に近い。
(2)そばに大敵の温度、湿度の急激な変化を抑制、保管。
(3)石臼製粉を主に、機械製粉とブレンドした全粒粉。 |
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そば銀行システム |
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2.宮崎県日之影町「地域振興のためのイベント戦略」 |
| (1)ふるさと再発見活動 |
| [日之影温泉駅] |
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過疎と高齢化の問題を抱える本町を含めた県北3町2村は、豊富な森林資源や森林空間等を総合的に活用し、新たな森林と人間との共生による森林理想郷を創生することを目的とした県単事業の「フオレストピア宮崎構想」のモデル地区(フオレストピア圏域)に指定されるとともに、「人間性回復の森林」整備事業(45億9千万円)が平成4年度の自治省のにリーディングプロジェクトとして採択を受けたところである。
本町が担当した「せせらぎの森」整備事業の中心事業は、第三セクター高千穂鉄道の駅舎と温泉施設を合体させた「日之影温泉駅」の整備(5億1千万円)である。その目的は、町民の保養や地域間交流を通しての地域活性化、さらには住民の貴重な足である高千穂鉄道の安定経営の確保である。
プラットホームから駅舎に入るとそこは温泉の入口であり、2階の浴室には打たせ湯やサウナなどさまざまな風呂が配置されている。とりわけ露天風呂から見える 五ヶ瀬川の流れや対岸の間近に迫る急峻な山並みの景色はすばらしく、都市では絶対に体験できない自然とのふれあいがある。平成7年1月の開館以来、毎日多くの観光客(年間8万人)や地元の人で賑わい、着実に地元に定着しつつある。 |
[かもしかの森] |
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祖母・傾国定公園に源を発する日之影川の渓谷美や高山植物を地域資源とした村おこしの拠点として、大正末期に英国人鉱山経営者が英国人技師と自らの住まいとして建築した建物を昭和61年に「歴史のロマンが漂う英国館」として復元した。
館内には鉱山関係の歴史資料を展示するとともに、建物のデザインそのものが貴重な建築学上の資料として注目されている。また、この「英国館」は国際交流に取り組む本町のシンボルともなっている。
平成3年度には「英国館」の隣接地に宿泊・研修機能を備えた多目的集会施設「リフレッシュハウス出羽」を整備し、日之影町ならではの特徴を生かした食事をはじめ、さまざまなサービスの提供を図っている。さらに、平成4年にケビン5棟を設置し、見立渓谷への観光客や祖母・傾国定公園の顔である秀峰祖母山や傾山への登山者に提供している。 |
[石垣の村] |
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青雲橋と見立渓谷の途中にある戸川集落は戸数7戸の小さな集落であるが、先人が自らの手で営々と築き上げてきた石垣は宅地、耕地造成、蔵、防風垣など集落全体に及んでおり、その石垣文化を活用した地域活性化策が取り組まれている。
町ではその拠点施設として、平成4年に「石垣茶屋」を建設し、特産品を活用した軽食の提供を行っている。宿泊研修施設を兼ね備えた本施設は、県外からの小中学生の団体をはじめ多くの観光客(年間3千人)が訪れている。 |
[英語村・大菅] |
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国際化時代に対応して、大菅地区の道標・表札などを英語で表記し外国からの訪問者とも交流ができる基礎づくりを行っている。地区内にある大菅小学校がその活動拠点で、小学生から大人まで英会話の学習に熱心に取り組んでいる。地区内の人々の顔には人怖じしない自信と明るさがみなぎってきたように思われる。 |
[歌舞伎の里・大人] |
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県・町の無形民俗文化財である「大人歌舞伎」の伝承に力を入れ、保存会を結成している。平成5年度に完成した「歌舞伎の館」はその活動拠点で、毎年10月の大人神社大祭で歌舞伎を上演をするなど、伝統文化を生かした村おこしが行われている。 |
[フラワーパーク] |
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「365日花のある町」を目標に四季の花の苗供給基地を整備している。町民の花を育てる慈しむ心と花いっぱいの環境づくりをめざしている。 |
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(2)イベントの開催 |
| [スプリング・ライダーフェスティバル「九州山脈バイクツーリング大会」] |
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本町にはバイク愛好者が多く、いくつものツーリンググループがある。そのため、町内外のバイク愛好者を対象としたイベントを通じ、ライダー同志の交流はもちろんのこと町民とのふれあいが生まれ人気を呼んでいる。
特に、秋に開催される「九州山脈バイクツーリング大会」は、国内では最大規模のツーリング大会であり、全国から1,000台を越えるライダーが参加する。出発地の宮崎市から終点の本町まで210kmの行経で、九州山脈の紅葉が美しく映える道路を縫うように走る光景は見ものである。 |
[神楽まつり] |
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町内の神楽は五殻豊穣と安全を祈願したもので、数百年もの前から岩井川・深角・八戸・四ケ惣の4地区で受け継がれており、いずれも町の無形文化財に指定されている。
碑楽まつりでは町内各地区の神楽保存会の奉仕者(ほしやどん:舞手)が一堂に会して神楽を披露し、日之影神楽を対外的にPRするとともに、文化財愛護少年団の結成や後継者の育成に努めている。 |
[軽トラック大行進の旅] |
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農作業専用の軽トラックを外交車に転用して行うユニークなイベントで、近隣市町村を巡って交流を深めるとともに観光宣伝をも兼ねている。 |
[トムソーヤクラブ村] |
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都市部の子供達を対象とする「21世紀を担う子供達にでっかい自然体験を!」をスローガンに日之影キャンプ村を舞台に日本旅行(株)と連携し、各種自然体験学習を実施している。 |
[青雲橋夏まつり] |
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8月の盆休みに開催されるこのイベントは、東洋一の高さを誇る青雲橋をバックに繰り広げられるサマーフェスティバルである。
メインイベントは約2,000発打ち上げられる花火大会で渓谷に大音響がこだまし、町民はもちろん帰省客や近隣からの観光客も多数訪れる(動員数2万人)。 |
[村おこしカーニバル] |
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新しく生まれた特産品、伝統工芸品、家庭で作られていた伝統の食品等を一堂に会し展示即売するほか、各種発表会や講演会など町民のパワーを町内外にアピールする最大のイベントである。開催される日には町内外より大勢の人が集まり「村おこし」の成果を披露する日となっている。 |
[日之影渓谷マラソン大会] |
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師走の日之影の渓谷路で健脚を競う大会は、小学生から高齢者の方まで幅広い年代層が集い、参加者同志や親子の交流はもちろん、応援者やサポーターが一体となって賑わいをみせている。 |
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(3)活力あるまちづくり |
| [人材育成制度] |
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1億円ふるさと創生基金事業として平成3年度より「21世紀に生きるたくましい人づくり」を開始。次の2つを支援している。
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チャレンジ21日之影まちづくり事業 |
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新しい時代に即応出来る人材と活力ある町づくりをめざして町民、団体などが中心となって行う。国内外研修、地域づくり事業の経費の一部を助成するこ:平成9年度は12団体5個人103名に対し支援を行い合計額500万円を助成した。 |
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産業後継者部門 |
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町より専任講師を委託し年間通して一定のカリキュラムによる講座を会員22名で運営する。会員は日之影町の地域おこしメンバーでもある。昨年は地域資源を活用した商品開発も軌道に乗り始めた。 |
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[町人会結成] |
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関東・関西・福岡・宮崎・延岡地区に在住する日之影町出身者で組織し、相互の情報交換と交流を目的に活動している。毎月、広報紙を送付してふるさとの情報を発信している。 |
[友好町村提携] |
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大規模林道の長大橋と長大トンネルが縁で地域おこしに熱心に取り組んでいる富山県利賀柑と平成4年8月12日に友好町村提携の共同宣言を行い、イベント等を通じ相互交流を深めている。 |
[生涯学習] |
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本町は平成4年度から3ケ年間、県の生涯学習モデル町に指定された。生涯学習講座の開設等により町民の学習気運が高まり、さまざまな分野のリーダーが育成されつつある。 |
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