ZEN麺 Hot News Vol.4
                (2000年3月発行)


『全麺協活動報告』
第5回全麺協日本そば博覧会
「’99常陸秋そばフェスティバルin金砂郷」の報告について
 今回、金砂郷町で開催した「常陸秋そばフェスティバル」は、日本一の品質を誇る常陸秋そばを県内外にPRし、全国のそば産地との情報交換交流を通して、そばの振興と地域農業活性化に寄与することを目的として全国麺類文化地域間交流推進協議会(全麺協)の後援のもと、第15回全麺協日本そば博覧会として、開催されました。ここに、各事業内容についてご報告申し上げます。
1.開催日:平成11年11月27日(土)〜28日(日)
2.場所:金砂郷町交流センター
3.来場者数:約30,000人/2日間
4.事業内容
@ オープニングセレモニー「新そばお食い初め・響き太鼓」
A パネル展示とビデオ放映「そばの食文化と歴史展」
B そば打ち体験教室
C 「常陸欲そば」何でも相談室栽培相談コーナー、常陸秋そばPRコーナー、アイデア料理PRコーナー
D 特産品販売・模擬店コーナー(出店者数25件)
E 《名物≫全国のそば食べ歩きコーナー
(出店者数19店、販売食数約15,000食)
F 模範そば打ち
名人:立岡 昇 氏(総和町・昇平)
G 全国そば文化交流フォーラム
テーマ:そば文化の向上を目指して
〜誰も納得できる美味しいそば作りのために〜
コーディネーター 長谷川 幸介 茨城大学助教授
パネラー 西海 一人 「茨城のうまいそば」著者  
渡辺 維新 「村屋東亭」店主    
北村 忠一 幌加内町新そば祭実行委員会長  
関廣 一 「常陸秋そば」生産者  
斎藤 平 元茨城新聞社副社長  
吉田 昭一 全麺協会長・福島県山都町長  
成井 光一郎 本フェスティバル新妻貝会長
金砂郷町長 
H 全国お国自慢・郷土芸能
 「そば口上(福島県磐梯町)」
 「麦屋節(富山県利賀村)」
 「田楽舞(茨城県金砂郷町)」
I 甘味処「常陸乃」  (グリーンふるさと地域づくりプランナー等「そば」を利用した菓子・茶の提供)
J 「そば」フォトコンテスト
K 交流会「蕎麦だ〜い好き交流レセプション」
L 全麺協素人そば打ち段位認定大会(三段位認定)
会期・会場: 11月28日(日)10:30・サンリバーホール
出場者40名
三段位取得者30名

入賞者
最優秀貰  益子 正巳  ひたちなか市
優秀賞 紀 治男 福島県田島町
優秀賞 佐藤 拓也 福島県山都町
努力賞 石井 麻衣 北海道幌加内町

審査員
審査委員長  全麺協認定審査員  鵜飼 良平
審査員 全麺協認定審査員 唐橋 宏
審査員 県麺業理事長 堀越 重雄
審査員 県麺業副理事長 板橋 孝司

解説
全麺協会貝  磐梯そば道場代表  長谷川 徹
5.全麺協からの応援内容
会員名 応  援  内  容
利賀村 《名物≫全国そば食べ歩きコーナー出店
全国お国自慢「麦屋節」出演
蕎麦だ”い好き交流レセプション出席
山都町 《名物≫全国そば食べ歩きコーナー出店
蕎麦だ〜い好き交流レセプション出席
豊平町 《名物≫全国そば食べ歩きコーナー出店
蕎麦だ”い好き交流レセプション出席
幌加内町 《名物≫全国そば食べ歩きコーナー出店
蕎麦だ”い好き交流レセプション出席
 4会員の心暖まるご支援、ご協力に感謝申し上げます。なお、本博覧会には、全麺協の相互扶助の精神を徹底するため、孤軍奮闘で主催者の教育指導に当てられた全麺協事務局長板橋政博氏、審査員代表唐橋宏氏に感謝申し上げる次第です。ありがとうごぎいました。





江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」
全麺協段位認定大会を終えて(報告)
 時は神無月から霜月にかかる頃。国内最大の蕎麦産出地「北の国」から出始めた新蕎麦も内地へと南下し既に関東一円でもご当地の香ばしい新蕎麦が出回り始めています。手打ち蕎麦を楽しむ同好の士にとっては、立ち上る香気に感動すら覚える堪らない喜びの季節到来です。正に「一期一会」の喜びにも似た至福の時期と言えましょう。
 蕎麦のルーツは、遥か昔の8世紀、続日本書紀の時代にまで遡るといわれます。爾来、現代に通ずる蕎麦の歴史は、江戸時代半ば頃に現在の蕎麦の形が出来上がるとともに庶民生活に定着し素朴な中に日本の食文化に確たる地位を得、延々と育まれてきました。今や蕎麦は、現代の食文化の中で驚くほどに定着し普及しています。陶芸等とは、また異なる奥深さや素朴な中に潜む微妙さが手打ち蕎麦への関心を高めています。
 一方、昨今では「まち(地域)おこし」の一環として蕎麦の産地を中心に素人手打ち蕎麦大会が行われること等も反映し、手打ち蕎麦の奥義を追求する同好者はますます広がり蕎麦の新時代を構築するほどに底辺が拡大しています。
 我が江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」は、素人が手打ち蕎麦に、はまった老若男女の集まりで無名の同好会であります。平成10年春の発足で現在の会員数は80名程です。些かな自慢は、発足間もなく会員が各地の全国素人そば打ち大会の幾つかに参加し、それぞれ優秀な成績をあげていることです。また、昨年7月、全国麺類文化地域間交流推進協議会(全麺協)の会員に認定いただきました。

1.江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」発足の経緯
 江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」の発足は、平成10年桜花爛漫の4月14日、手打ち蕎麦をこよなく愛でる30数名が馳せ参じて発足しました。発足の端緒は、「日酒食品フーデイアムクラブ手打ち蕎麦実賎教室(東京都新宿区)」で、江戸流手打ち蕎麦を指導される「上野薮蕎麦主人・鵜飼良平先生」の講座の受講者が中心になりました。その講座で手打ち蕎麦を習い基本技能を修得するに従い、その深遠な魅力に染まり、さらなる上級技術の修得と向上心を共有する同好の士が集まったのです。加えて、定年後の趣味の一つとして、また、子育ても終わり「旨い蕎麦を自分で作ってみたい」との目的の人も新たに参加してきました。多士済々の小グループながら和やかな中にも少年少女のような純粋さで手打ち蕎麦にひたり、基本技術の修得と向上心に燃えながら唯ひたすらに芸術的な手打ち蕎麦を追い求めて楽しんでおります。

2.日常の活動状況
 本会の発足時を振り返りますと、何とか発足はしたものの研増する会場や道具類、運営面さえままならない五里霧中に船出したようなものでした。特に、研鍔会の会場確保には、会場の広さや設備・交通の便等を考慮し随分と苦労もありました。発足から2ケ月程は、会員会社の関連施設の一都を借用して細々と緒に着いたものです。その後、縁あって平成10年8月から東京都千代田区万世橋会館の公共施設を主会揚に定めました。現在まで「月2回、午前10時から午後5時までの運営」で継続しております。会場内の設備は、調理台5台、手打ち蕎麦の延し台や道具類・小物類(木鉢・包丁・のし棒・小間板・計量カップ等)は自前で上物5セットを揃えました。会員数も急速に増え現在では80名を数えます。会員の年齢構成は、最高齢74歳を筆頭に20代迄と幅広く、平均年齢はおおよそ50歳代中半です。男女比は3:1で男性が多く、参加率も男性の方が高くなっています。
 研鍵会で参加者が打つ量は、一人500グラムから1kg。1.5kgの人もいます。また、研鋸会への参加者数は毎回30名を越え、時には時間的な制約から打てずに帰るといった悲哀の時すらあります。事ほど左様に参加率は大変高く、幹事泣かせの嬉しい悲鳴が聞こえてきます。特に運営面では、未だ多くの課題を抱え徐々に解決を図っていきたいと考えているところです。船足ながら、このような盛況を呈する現状から、新規の入会希望者には恐縮ながら当分の間ご遠慮願っているところです。 一方、蕎麦栽培にも会員の有志が挑戦いたしました。何事も経験と300坪の農地を借りて耕作し、花を愛で刈り取りから脱穀、粉挽き迄の幾つもの苦労を楽しみました。成果は、天候不順もあって22kgに止まるも、自分達の苦労で産出した蕎麦粉での試食はなかなか乙なものでした。本年は有志による委託栽培に切り替えました。さらに、手打ち蕎麦を通じた各種の活動等の課題(例えば、ボランティア活動等)も多くあり追々取り組んでいきたいと考えております。

3.江戸流手打ち蕎麦技術へのこだわり
 前述のとおり会員の特徴は、「日酒食品フーディアムクラブ手打ち蕎麦実麟教室」で基本的な技の修得者がおおよそ半数を占める中、10年超の大ベテランから未経験の方もいます。さらに、手打ち蕎麦へのこだわりや技術取得と向上心の魂のような意欲をもった会員が多く、日長一日、酒を酌み交わしながらの蕎麦談義にもノさきないような状態です。中には、清水市から新幹線で通われる熱心な方もいます。
 当然のことながら会員の手打ち蕎麦技術については、「江戸流」にこだわりをもち、その技術水準も回数を重ねる度に著しく上達しています。全体的には、「結構高い水準に位置づけられているのではないか」と自画自賛しています。こうした状況を反映して、発足初年度の秋には、具体的な活動を始めて数ヶ月後ながら「本会独自の段級位制度認定会」の実施も自然な形でかたまってきました。

4.段位認定会の開催
(1)第1回平成11年度段級位認定会
 第1回は平成10年11月7日(土)千代田区万世橋会館の常設会場で実施されました。評価基準は、「全麺協の段位認定実施基準」を基本に会独自の要素を加味して定めました。会が発足して未だ6ヶ月程しか経過してないのにも拘わらず、年1回の実施という発足時の計画方針に従って行われたのです。初回でもあり、どの程度参加するか若干の危惧をもちながら実施に踏み出したのですが、予想以上に会員の参加意欲は高く、3分の1程に当たる22名が受験しました。認定資格は、二段、初段、1級から4級の階級で行われました。初回でもあり、段位・級位の挑戦群に分けて、それぞれのグループ毎に実技し段級位の判定は、審査委員(後述)の評定結宋の平均得点によって決定しました。その結果、二段位4名、初段位7名、2級位2名、3級位5名、4級位1名となりました。この他に既にこの時点で全麺協の認定段位取得者は、二段位4名、初段位2名が在籍しております。
(2)第2回平成11年度段位認定会
 今年度の認定会は、さる9月4日(土)、全麺協への入会に伴い「全麺協後援・鵜の会段位認定会」として、江戸流手打ち蕎麦「梅島道場(梅島薮垂2階)」を会場として実施しました。審査委員は、鵜飼良平(上野薮蕎麦主人・日本麺類業団体連合会常務理事・全麺協認定審査員)、右近龍也(日酒食品秘書室室長・全麺協認定審査員)、石井西之(梅島薮垂主人・東京都麺業協同組合手打ち蕎麦公認講師・専門調理師技術技能評価試験委員)、坂場正則(無識俺越後屋主人・東京都麺業協同組合手打ち蕎麦公認講師・専門調理師技術技能評価試験委員)の蒼々たる4名の先生にお願いしました。
認定会の実施方法・内容は次のとおりです。
@ 挑戦段位毎(今回は6名単位)の組分け。級位の認定は、実力水準が向上しているため本年から中止。
A 粉の量は1kg(そば粉8:つなぎ粉2)。三段位も同量で行い、評価基準をより厳しく行う。
B 持ち時間は30分
C 制限時間超過は減点
D 評価基準は全麺協基準に「鵜の会の要素を追加」
E 道具類は、原則自由選択(持ち込み可)
F 飛び段位はない
 段位認定会の模様は、「鵜の会段位取得」だけでなく、本年から全麺協認定の「段位」の取得も同時に叶うという新たな目的も加わったこともあり、ことのほか参加者の意欲は高く活気もほとばしる程に雰囲気が年々醸成しています。全体的には参加者個々には反省点も多くあったようですが、試験特有の緊張感に流されることなくそれぞれが日頃研躇している腕前を遺憾なく発揮されたように見受けられました。また、審査委員の先生方の目も実技者6人が3対3の対面状態で実技をするため、横一列よりも一望しやすく、対比もしやすいこともあってか僅かな手の動きも見逃さない厳しい目で評価されておられました。
 このように本年度の段位認定会は28名が参加して行われた結果「三段位3名、二段位6名、初段位18名」の27名が新たに段位を取得しました。惜しくも現段位に止まった者1名もおりました。なお、三段位については、鵜の会独自の認定です。段位認定証は「全麺協」「鵜の会」それぞれを昨年暮れの忘年会の席上で授与致しました。
 この結果、全麺協の段位認定取得老は、平成11年9月現在で約半数近い34名(三段位4名、二段位10名、初段位20名)、実に42.5%になります。

5.段位認定基準の考え方
 各地の素人そば打ち大会や段位認定大会等で採用されている段位認定基準の多くは、全麺協が定めたものが基本となっているようです。本会の認定会でも基本的には全麺協実施基準に傲い独自の要素を加えております。全麺協の認定実施基準によれば審査項目は、手打ちの手順に応じているとは言え大きな括りで玄人の目で捕らえられ、減点方式で行われており、客観的な納得性からは、やや見直しも欲しいように思われます。審査員については、各種の手打ち蕎麦大会等によっては、玄人の先生方だけでなく素人の著名な万が審査委員として加わっていることも多いようです。
 このような状況を鑑みますと、審査基準は見る側(審査委員)からも出来るだけ具体的に評価項目、判断基準がわかりやすく整理され、審査を受ける側(参加者)からも審査項目内容が簡明に構成され、納得性のある内容の方が好ましいと思います。
 既に、全麺協の審査基準の見直しに目を向けられているやに窺っております。是非、実体験の私見ではごぎいますが段位認定審査基準について、別途レポートをご提案させていただきましたので、ご検討賜りますようよろしくお願い申し上げます。

6.終わりに
 本年度の第2回段位認定会は無事終えることができ、会員それぞれには、また新たな挑戦意欲や目的、多くの課題を胸に描いたと思われます。会の運営に当たる立場の一人として殊の他嬉しかったことは、審査委員の先生方からいただいた総合評価で前年度の認定会を振り返りつつ会全体が和やかにかつ裏撃に取り組まれていることにお褒めいただく一方、会員各人の技術水準が著しく向上していることに高い評価を項戴したことです。
 会の存在は会員個々の参加意欲と前向きな姿勢、目的意識が根底にあってこそ成り立つものです。具体的な運営に当たっては中枢を担う幹事方の意欲的で自己犠牲的な取り組みがなければ、たとえ小さなグループであっても具体的な諸活動を企画し実威していくことは難しいものです。他人依存的で批判的な姿勢やあり方が先行しては建設的な会の運営が困難になることは、多くの事例が証として知られます。そのような意味合いから「鵜の会」は、お陰様で会員の協力的な取り組み姿勢に支えられ、目的意識を共有しております。餅せて審査委員をお願いしている諸先生方を始め、四囲の方々のご支援、ご協力をいただきながら、さらなる存在感を求めて臨みたいと願っているところです。
 「鵜の会」の目的、活動等について意のあるところを表現できているか悟ノ陀足るところがありますが、これを機に全麺協会貝の多くの方々との交流を願い、各種各様の蕎麦に纏わるお話やお知恵をご提供願えればもって幸いとするところであります。最後に今回、寄稿の機会を与えていただいたことに謝意を表し、今後もさらに全麺協活動に参加する所存ですので何卒よろしくお願い申し上げます。
全麺協会員・江戸流手打ち蕎麦「鵜の会」幹事長
石野 忠秋








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